月が綺麗ですね
自担がグループを脱退した。
事務所を退所する。
9月3日に5大ドームツアーが終わって、
9月4日にジャニーさんのお別れ会が終わって、
9月5日に発表があった。
“1997年9月6日”から22年が経とうとしていた。
15時5分のメールを見たとき、息ができなくなった。
16時。サイトになかなか繋がらなかった。
やっと繋がって文面が目に入ってきたとき、小さな悲鳴を上げた。
何一つ納得がいかなくて、疑問ばかりが頭の中をぐるぐると渦巻いた。
そして5人の連名を見たとき、「あ、5人だ」とだけ思った。
詳しい理由なんかは書かれていなくて、
17時の動画で詳細がわかるだろうと思った。
泣くことも騒ぐこともなく、ただただ17時を待った。
そこからの1時間は少し長く感じた。
とりあえず思い付く限りの公式サイトのスクショを保存した。
そして動揺したその手でジャニショオンラインの公式写真をまとめ買いした。
錦戸亮で検索をかけて出てきたものをすべて購入した。
何を思ってそうしたのか今となっては自分でもわからないけれど、
いてもたってもいられなかったのだと思う。
ただただ錦戸亮のためにお金を使いたかった。
17時。ここでもなかなか動画を読み込めなかった。
やっと動画を開くことができて、メンバーの姿が目に入ってきたとき、一度動画を止めた。
5人だった。
「関ジャニ∞ よりファンの皆様へ」と題された動画には5人しかいなかった。
そこに錦戸亮の姿はなかった。
それでも最後に一人ででもいいからコメントとかしないかな、
なんて僅かな希望を抱いていたけど、
最後まで姿を現すことはなかった。
私はもう錦戸亮の姿を見ることはできないのだと悟った。
その代わり、動画の後半では47都道府県ツアーが発表された。
本当に見ていられなくて、ただ呆然と、
行くのか行かないのかを考えていた。
一目惚れしたのは麻生くんだった。
高校生になって、やっとライブに行けた。
それから気づいたら10年も経っていた。
私なんかちっぽけなファンで、
彼の全てを知っているわけではなくて、
知らない時代も何年もある。
それでも一ファンとして、10年追いかけてきた。
応援してきた、なんておこがましくて言えないけど、
それでも10年間ずっと好きだった。
1年に一度、もしくは二度(夏と冬)、
ライブにいくことが生活の中心で、心の支えだった。
ありきたりだけど、
関ジャニ∞に、錦戸亮に会うためにいろんなことを頑張ろうって思えた。
その楽しみがなくなってしまったことが悲しい。
そして、
黄色のネイルをしたり、
黄色のアクセサリーをつけたりして、
錦戸亮のうちわを振れないことが、
本当に
何よりも悲しい。
うちわが毎年一枚づつ増えていくのが嬉しくて、
そしてそれはずっと増え続けると思っていたのに。
今年、十五祭で見たのあの姿が、
最後に見た錦戸亮は、相も変わらずかっこよかった。
私にとって錦戸亮は、青春のすべてでした。
つい何日か前、錦戸亮のどこが好きなのか友達に聞かれたことがあった。
私は「笑った顔、歌声、あと儚くて涙が似合うところ。」
と答えた。
関ジャニ∞でいるときの亮ちゃんは、
末っ子で甘えん坊気質だったように見えたし、
そんな彼が好きだった。
メンバーの発言や行動には、
大きな口を開けて笑っていた。
ハスキーなあの歌声が大好きだった。
私がライブに行き始めた頃はまだ歌声が不安定で、
今日は大丈夫かなと心配していたのが懐かしい。
最近はそんな心配をする必要もなくなり、
以前に増して表現の幅が広がり、
気づいたら大人の色気たっぷりの歌声に変化していた。
演技をしている亮ちゃんも大好きだった。
少し影があるような役が多くて、
特に涙を流すシーンが好きだった。
いつ見てもとても綺麗な涙を流す人だった。
演じた役が話題になるととても誇らしかった。
好きなところを挙げ出せばきりがないけれど、
関ジャニ∞でいる彼も、
俳優をやっている彼も、
どちらも本当に大好きだった。
いつかこんな日が来ると、心のどこかでわかっていたのかもしれない。
写真を撮られた日、色々な憶測を書かれた日、
その度に少し覚悟をしたときもあった。
けど、まさか自分から辞めるとは思わなかった。
理由は何だろう。
やりたいことって何だろう。
僕なりのエンターテインメントって何だろう。
好きな音楽を作ることかな。
この事務所にいたらできないことなのかな。
そもそもそういうことじゃないのかな。
何もわからないよ。
私はものわかりが良い方ではないようで、
今までアイドルを続けてくれてありがとう。
という思いと、
なんで。なんでなの。
という思いが渦巻いている。
彼を悪く言いたくないし、
考えを尊重してあげたいという思いはあるけれど、
この状況を受け入れるには
もう少し時間がかかりそうだ。
そういえば、発表されてから一度も涙を流していない。
受け入れられてないからなのか、信じたくないからなのか、
自分でもよくわからない。
こんなに悲しくて喪失感でいっぱいなのに。
いつもライブの最後は、
メンバーの誰よりも早く帰る人だった。
いつだって去り際が潔い。
そんな人だから、
今、もしかしたらもう日本にいないのかもしれない、
なんて思ってもいる。
それでも最後に、
錦戸亮さん、月が綺麗ですね。